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3DCG電子マニュアル「みるクルCG」
3DCG電子マニュアル「みるクルCG」
株式会社アルゴバース 代表取締役 瀧田 理康さん
「みるくるCG」は、タブレットやゴーグルを使用して、製造現場などの研修や組立工程で利用していた紙のマニュアルを3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)で実現した「3DCGの電子マニュアル」です。
これまでのような紙面上に描かれた図面が不要となり、図面がCGで表現されるため、紙では不可能だった「自由に動かしてあらゆる角度から確認」したり、「現場空間に存在しないものを状況に応じてバーチャルに挿入」したりすることができるようになります。
実物のイメージをとらえやすくなるため、新人や初心者などが実際の現場作業を始める前のトレーニングにも活用できます。
商品の特長
先輩の指導がなくても新人の作業者が単独で作業完了できる電子マニュアルを3次元のCGを駆使して作りました。これが実現できたのは、高品質な3DCG技術と製造に関する技術的理解ができるプロデュース力を当社がもっているからです。片方だけを持っている企業はあると思いますが、双方を兼ね備えている企業はほとんどないと思います。仮にあったとしてもかなりのコストもかかり、それなりの納期になるでしょう。私たちは、それらにも対応できるようにサービスを設計しています。
企業の課題として、教える人によって品質にバラつきや相性などから新人が辞めてしまうことがあります。この3DCG電子マニュアル「みるクルCG」を利用することで、人に依存しない統一したノウハウの提供と作業品質の担保が可能となります。
開発の背景
私自身、自動車関連部材メーカーの社内ベンチャーで半導体素材の製造現場を経験しています。その時から工場での作業者が高齢化しているのに、若年層が集まらない、あるいはすぐ辞めてしまうといった技術承継の問題を感じていました。
それを解決するために、いかに若年層がやりやすい環境をつくるかという問題解決のひとつとして、3DCGを使ったマニュアルを開発することにしました。
商品化までの苦労
特に苦労したのは、どのように見せたらわかりやすいかというインターフェイスを設計することでした。現場の工程をひとつひとつ分解したり、現場のベテラン作業員にカメラをつけたり、あらゆることを行いわかりやすい絵に置き換え3DCG化してそれをタブレットやゴーグルに組み込みました。そこにかなりの労力を注ぎました。
今後の展望
この3DCG電子マニュアル「みるクルCG」を大手企業はもちろんのこと中小企業にも利用してもらうため、低コストや短納期での提供を実現し、日本の優れた技術を継承していくために必要なツールにしていきます。
会社概要
プロフィール
瀧田 理康
株式会社アルゴバース
代表取締役 映像プロデューサー
東京理科大学電気工学科卒。その後武蔵野美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。自動車関連部材メーカーで半導体素材の社内ベンチャーの立ち上げに従事し事業売却にてイグジットさせる。現在代表をつとめる株式会社アルゴバースでは、半導体でかかわったナノの世界の経験をベースに、「人々が見えないもの描いて、そして魅了させる」をコンセプトにしたコンピュータグラフィックを駆使したデジタル世界の映像制作とPRの事業を展開している。
・中小企業診断士、リスクマネジメントプランナー(一般財団法人リスクマネジメント協会)、PRプランナー(PRSJ)
・著書は「新規事業開発」「経営基本管理/マーケティング」(ともに日本マンパワー出版)等
Webサイト
公開日:2021年12月7日
「オンリーワン商品」は、イノベーションズアイ会員企業を対象に取材しています。